風倒木(ナースログ)

三吉

2010年12月22日 19:00

「なぁ、三吉よ。釣りボート屋に行くと、やつらは(失礼)決まって二つのセリフしか言わんのだよ。

『昨日までは釣れてたんですけどねぇ・・・』 と
『明日からは釣れそうですよ・・・』

の二つだ。 で、俺の今日は一体どうなるんだ、三吉よ」

と言うのが師匠の口癖でした。
うーむ。そうかもしれない(笑)。

まぁ、そんなこんなで必死で釣った魚を、リリースする。
ある意味無駄な事かもしれません・・・
いや、そもそも「遊び」がそういうものなのかも。


労働に対する余暇として、どう時間を使うのか。
余暇で無駄を楽しむように、あるいは余暇に無駄が無いように、労働にも無駄は無いのかもしれません。

開高健曰くのナースログ。後輩たちにもナースログがありますように。



これが実は無駄なように見えて実に貴重な資源なのであって、
風倒木がたおれっぱなしになっていると、
そこに苔が生える、
微生物が繁殖する、
バクテリアが繁殖する、
土を豊かにする、
小虫がやってくる。
その小虫を捕まえるためにネズミやなんかがやってくる、
そのネズミを食べるためにまたワシやなんかの鳥もやってくる、
森にお湿りを与える、
乾かない。
そのことが河を豊かにする。
ともう全てがつながりあっている。

だからあの風倒木のことを、
森を看護しているんだ、
看護婦の役割をしているんだ。
というのでナースログというんですけれども、
自然に無駄なものは何もない、
というひとつの例なんです。

そうすると人間にとってナースログとは何でしょうか?
無駄なように見えるけれども実は大変に貴重なもの、
というものも人間にはたくさんあるんじゃないか?
それぞれの人にとってのナースログとは何か?

                         開高健



今年、シーバス釣りで一番時間を使った場所。
深江の朝です。私のナースログ。



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