背負うもの

三吉

2012年09月06日 19:00

なんと言いましょうか。
私の周りには人付き合いが不器用な子が多いです。
おそらくそれは、私自身がそうだからかもしれません(笑)

毎日毎日色々な人に出会います。
でも、もう二度と会うことない人もたくさんいます。
結局は、自分の意志がないと人間関係は築けないんですよねぇ…


私は、個人的に何かを背負っている人が好きです(笑)
もちろん自分から背負ってる人もいれば、色々な事情で背負うことが業の人もいるでしょう。
ただ、何を背負うにしても、自分らしく自分のプライドは守りたい。

私の弟は、私の代わりに京菓子屋を継いでくれました。
ただただ感謝です。
でも、大変だと分かっています。
もちろんサラリーマンはサラリーマンで大変ですが、自営業もやはり大変…
親父と違い、弟は自分が定年まで(あると仮定して)、あるいは自分の子供が定年まで京菓子屋を残したいはずですから。





実家を継いですぐのころ…弟は全くお菓子が作れませんでした。
いわゆるどら焼きも作れない。
子供の頃、親父が作るどら焼きをよく見ていました。
いざ自分で作ろうとすると…

あの、鉄板に丸い生地の型がないんですけど…
あのあの、ヘラじゃなくて小指で鉄板の上の生地をひっくり返しているんですけど…
いざ自分が作る時まで、それにすら気づいてなかったんです。
あえて言います。たかがどら焼きすら作れない…
ましてや他のお菓子なんて…


すると…あんなやんちゃな弟が、ボクシングジムをやめてお茶とお華を習いだしたという。

「あかんねん、おにい。どうしてもお菓子が作られへん。意味は全く無いかもしれんけど、とりあえずお茶とお華を習ってみることにしてん。自分でもなんでかわからへんわ」


しばらくして、お店の改装がありました。
10年後、あるいは20年後を考える弟と、今日まで京菓子屋を守ってきた親父と意見がぶつかります。
全く相容れない議論が延々と続いていました。
最後に弟が言いました。

「親父、お前はどうせもうすぐ死ぬやん。そのあと、店の売り上げを守るのは俺やぞ。俺の未来を奪うなや」

でした。
京菓子屋を継ぎたくなかった弟ですが、いざ継ぐと決めたら自分の人生を京菓子屋にかけて本気になってました。


でも、弟が特別だとは全く思いません。
同じように何かを背負った人は、他にもたくさんいるはずだからです。
うん、たくさんいるんです。
起きてしまった事は全て良い事
だから、みなさんも頑張って欲しいなぁ。


よし、明日もきっといい日。


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